ロービジョンケアとは
ロービジョンケア
ロービジョン(low vision)とは?
私たちは視覚から様々な情報を得ています。病気やけがなどで視力が低下したり、目の調子がよくないときには眼科を受診されると思います。現在、眼科医療は日々発展し、新しい治療や手術などが発達しているので、適切な治療を受けて元通りの状態に回復する方も多いです。
しかし、一方で、病気や進行具合により完全な回復が難しく、日常生活や社会活動に支障があり困難を感じている方もおられます。特に問題になるのは、情報入手、移動、コミュニケーションです。ロービジョンとは、成長・発達あるいは日常生活・社会生活に何らかの支障をきたす視機能または視覚のことをいいます。
WHO(World Health Organization:世界保健機関)の定義では、矯正視力が0.05以上0.3未満とされていますが、日本では視力・視野のみでなく、視覚障害のために日常生活に不自由のある状態を「ロービジョン」と総称しています。ロービジョンは英語表記で「low vision」であり、直訳すると「低視力」や「弱視」と表現されることが多いですが、もう少し範囲の広い「低視覚」と呼ぶべきものです。
ロービジョンケアとは?
ロービジョンケアとは、ロービジョンの方に対して様々な面から行われる支援の総称です。医療的・教育的・職業的・社会的・福祉的・心理的な支援を包括的に表現したものであり、発達・成長期である子どもに必要なハビリテーションや、大人の中途障害に対応するリハビリテーションが主な目的となります。
よりよく見える工夫として、眼科医は以下のようなことができるよう情報提供を行い、アドバイスや指導、訓練を実施していきます。
- よりよく見る工夫
- 視覚補助具・照明
- 視覚以外の感覚の活用
- 音声機器・解読機器
- 情報入手手段の確保
- ラジオ、パソコン
- その他の生活改善
- 点字図書館、生活訓練施設
- 進路の決定
- 特別支援学校、職業訓練施設
- 福祉制度の利用
- 身体障害者手帳、障害年金
- 視覚障害者同士の情報交換
- 関連団体、患者交流会
ロービジョンケアに関わるのはどんな人?
眼科医師、視能訓練士、看護師に加え、実際のロービジョンケアには、教育・福祉・補助具等販売店などの役割がとても大きく、多分野の連携が必要とされます。
ロービジョンケアの進め方
眼科では主に、目が見えづらくなった患者さんのロービジョンケアへの「窓口」の役割を果たしています。患者さんの目の状態を確認し、必要としている支援やサービスへの橋渡しを行うのが、ロービジョンケアにおける眼科の主な役割です。まずは、治療を受けている医療機関やロービジョンケア施設で相談をしてみましょう。