福祉制度のご案内

視覚障害によって日常生活・社会生活を不自由に感じている方への支援

福祉制度の利用

視覚障害の程度が強く基準を満たす場合には、身体障害者手帳の申請が可能です。国や自治体による支援も手帳があると利用可能となるものが多く、まずはご自分がその基準を満たしているのかどうか確認することが重要です。手帳の作成には都道府県に指定された眼科医の診断書・意見書が必要となりますので、まずはお近くの眼科に相談してみましょう。

また、支援内容については自治体によって異なりますので、所属自治体の福祉課や社会福祉課に問い合わせてみてください。条件を満たせば、補装具や日常生活用具の支給、通院や買い物への同行援護などが受けられることがあります。

ロービジョンケアにおける生活訓練

歩行訓練

視覚がうまく働かなくなると周囲の環境を把握することが難しかったり、移動の安全に支障をきたすなどして不安を感じ、外出を控えてしまう人が少なくありません。視覚障害者リハビリテーション施設などでは白杖(はくじょう)を使って単独で歩行できるようにする訓練があります。自宅の近くを歩いたり、バスや電車を利用して外出することなど、ロービジョンの方々が一人で行けるようになりたい場所へ行くためのトレーニングが行われます。

コミュニケーション訓練

点字、音声出力、コンピュータの使い方などを練習します。現在、点字よりも音声による情報入力が一般的です。また、就労においてはパソコンの使用が求められることが多く、とても重要な技術となっています。とくに若い方にとっては、パソコンの使用に慣れておくことが今後ますます重要となります。

日常生活動作訓練

お茶の入れ方や衣服の着脱、調理など日常生活に必要な動作を訓練します。

ロービジョンケアにおける就労支援

福祉分野が中心となった就労支援も行われています。独立行政法人高齢、障害、求職者雇用支援機構やハローワーク、市町村などの公的機関が主に支援活動を行っておりNPO法人によるサポート体制も整いつつあります。

また、就労継続や支援について経験豊富な患者組織も存在します。視覚障害で仕事を続けることが困難に思えてもいろいろなサポートの方法があります。仕事の継続をあきらめる前に必ず相談してみて下さい。

眼科からの情報提供

スマートサイト(ロービジョンケア紹介リーフレット)とは、視覚障害により生活に支障のある方が、各々の悩みに応じた適切な指導や訓練が受けられる相談先を紹介する簡単なリーフレットや関連したウェブサイトのことです。

近隣のロービジョンクリニックや視覚障害センター、点字図書館など視覚リハビリテーションに関し相談可能な施設情報が記載されています。1枚のシンプルなリーフレットから、ロービジョン関連の情報を入手でき、患者さんが必要なサービスにアクセスしやすくなるということを想定したものです。

日本眼科医会では、このスマートサイトの普及に努め、現在では全ての都道府県で入手可能となりました。